狼の条件(1)

みさきは、まだ赤ん坊の時に、両親の手によって山に捨てられた。
山で暮らすオオカミのトキは、一人ぼっちのみさきにとっては兄弟であり、友のような、唯一の存在だった。
みさきが10歳の時、トキが人間に噛み付いたために村人から追われる。
村人と闘いながら逃げる途中にトキは死ぬが、みさきは、トキのような燃える目をした青年に助けられる。
青年の目に惹かれたみさきは、彼の後を追い、村を飛び出して船に乗り込んだ。
京極の親分、正岡社長、副社長の直樹、そして若林。
金と権力の座を争うドロドロの戦いに、夏江の娘みさきが加わった。
みさきは自分を捨て、母を殺した父は正岡だと信じて疑わず、正岡を破滅させようとしていた。
みさきの父親は一体だれなのか!?正岡に乗っ取られた海龍一族を救うため、誇りを取り戻すために、オオカミの子みさきが立ち上がった!!時は明治時代、新政府に反抗する輩を抹殺するべく、陸軍省認定第一号暗殺者となった男がいた! 小具足術を駆使して、次々と反政府指導者たちを暗殺するその男の名は、天呆銭。
かつて江戸を守るため、藤堂家の直参として新政府軍と戦った天呆銭が、今、テロリストとして新政府の元で働くその真意は…!?昼は人力車夫として正体を隠して小銭を稼ぐ天呆銭だが、それにはワケがあった。
再び侍の世を取り戻すための手掛かりが、名前の由来でもある通貨「天保銭」にあり、東京中にある天保銭の中のたった3枚に秘密があることを突き止めたからだ。
しかし江戸の岡っ引きから唯一新政府に巡査として迎え入れられた辰造は、その正体を見抜いていた!新政府の謀略にかけられ巡査を罷免され、暗殺者に狙われた辰造をすんでのところで救ったのは宿敵である天呆銭だった! 行動を共にする道を選んだ天呆銭と辰造は明治政府をひっくりかえすカギを握る天保銭を探すため、大阪へと旅立つ。
江戸の世を取り戻すためにたった二人で政府に立ち向かう二人の男の運命は!? 感動の完結篇!続きはこちらから⇒ttp://www.ebookjapan.jp/shop/book.asp?sku=60007593